GEAR FOR WALKING
キーンによる「歩くためのギア」。転がるような歩き心地のウォーキングシューズ 「WK400」がデビューします。
人間が日常的に行なっている「歩く」という行為。この動作にフォーカスした「歩くためのギア」が〈キーン(KEEN)〉より登場。「WK400」と名付けられたそのモデルは、「転がるような歩き心地で“歩くこと”を今まで以上に楽しくする革命的なシューズ」とのこと。果たしてそのアイテムの履き心地とは、一体どのようにしてつくられるのでしょう? 「WK400」にまつわるストーリーをこちらにお届けします。
- Text_Yuichiro Tsuji
- Edit_Hideki Shibayama
「歩く」という行為には、移動という概念のほかに、不思議な力が宿る。
「歩く」という行為は、我々人間が気づかぬうちにおこなっているもっとも日常的で身近なアクティビティです。散歩をすることで健康につながり、新たな発見に触れ、精神的にもポジティブな効果が現れます。
そんな行為に焦点を当てた「歩くためのギア」が〈キーン〉よりデビューします。その名も「WK400」。
このアイテムの開発者は、〈キーン〉創業者の長男であり、いまやブランドの代表モデルとなった「UNEEK」の生みの親でもあるローリー・ファーストJr氏。彼はスキーの最中に半年以上も歩けない大怪我を負い、苦しい治療の日々を過ごしました。そうした生活に光を射したのが、リハビリ開始から4ヶ月後、ふとおこなった“散歩”だったのだとか。
「怪我を負う前の私は、ウォーキングを重要な運動のひとつと考えていませんでした。歩くことは移動の手段であると考えていたからです。しかし、怪我によって歩くことが困難になったことで、私の考えは一変しました。歩くことで重苦しい霧が晴れはじめ、気分がどんどん回復し、困難を乗り越えることができました。人生で最もつらかった日々から、私を日常に戻してくれたのが、ウォーキングでした。ウォーキングが私を救ってくれたのです」
それまで抑うつ症状と戦い、まさに「霧のなかにいる気分だった」と語る彼の心は、歩くことでみるみる晴れてゆきました。そして、「歩く」という行為には移動という概念のほかに、不思議な力が宿ることに気づいたのです。
そうした気づきをもっと多くの人の実感してもらうべく、彼は物理学と環境科学の博士号をもつ長年の友人、チーロ・フスコ氏のもとを訪ね、“歩行”について科学的な検証をおこないました。そこでたどり着いたのが、「人は一定の弧を描いて歩く」ということ。まるでカーブを描くように移動する足に対して、大半のシューズは平らにデザインされていることに着目した二人は、足の軌道が描く半径400mmの円の弧を利用してよりスムーズな歩行をサポートするテクノロジー「KEEN.CURVETMテクノロジー(キーン・カーブテクノロジー)」を独自開発します。
前方へ転がるような新感覚な歩き心地。
足の着地から蹴り出しの動きにおける左右のブレを抑制して下腿の加速を増加させ、転がるような履き心地を提供するフルレングスの「プレートテクノロジー」。高反発とクッション性を両立した「ハイエネルギーミッドソール」。トレイルやアスファルト、踏み固められた小道まで、あらゆる路面で安定性とグリップ力を発揮する「マルチサーフェイスアウトソール」。それぞれカーブした形状を持つ3つのパーツを組み合わせ、まるで前方へ転がるような新感覚な歩き心地を実現したのです。
アッパーはつま先にゆとりを持たせながら、足を包み込むようにホールドする「アスレチックフィット」を採用することで、より快適な歩行をサポートしているところも忘れてはならないポイントです。
ウォーキングのメリットを、多くの人びとに体験してほしい。
そうして生まれた「WK400」。設計と開発に3年(約10,000時間)、そして8,000km以上に及ぶフィールドテストが重ねられたといいます。
〈キーン〉らしさを宿しながらもボリューミーなシルエットに仕上げられ、現代のファッションに通づるコンテンポラリーなデザインも魅力的。これなら日常使いしやすく、旅先でも重宝しそう。メンズ、ウィメンズでそれぞれ5色用意されているなど、カラバリが豊富な点も嬉しいポイントです。
最後に、開発者であるローリー・ファーストJrの言葉をここに残します。歩くことによって生まれる豊かさは人それぞれ。「WK400」を履いて、それを見つけてみてはいかがでしょうか。
「このプロジェクトは私に起きたひとつの困難な経験から生まれました。しかし、私が最も鮮明に覚えているのは、3年に渡る施策とテストの時間を共有した、多くの素晴らしい人びととの時間です。私の怪我の回復と同様、この『WK400』の開発は簡単ではありませんでした。『WK400』には、私たちのシューズづくりの経験とテクノロジーが詰まっています。このシューズは非常にクールで、みなさんにトライしてもらいたいと思っています。同時に、このシューズを買うか買わないかは重要ではないとも考えています。まずは私の経験を知っていただき、私が経験したウォーキングのメリットを、多くの人びとに体験してほしいと願っています」
INFORMATION
KEEN Japan
電話:03-6804-2715
keenfootwear.jp
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