KEEN × FUJI ROCK FESTIVAL
コラボモデル誕生記念!エキスパートたちが証言する、キーンとフジロックが相性抜群なワケ。
2015年から日本最大の音楽フェス「フジロックフェスティバル」のオフィシャルサポーターを務める〈キーン(KEEN)〉。かねてから温められていた両者の関係ですが、この度、遂にコラボレーションモデルが誕生しました。創業モデルであるサンダル「ニューポート」と、さまざまな機能を持ったシューズ「ターギー」を特別な仕様にアレンジ。日本が世界に誇るこのフェスにおいて、20年以上に渡って出店を続ける〈トウキョウヘンプコネクション(TOKYOHEMPCONNECTION*THC)〉の関村求道さんがカラーディレクションを担当。今回はそんな関村さんに加え、〈キーン〉のデザインパートナーを務める「バンブーシュート(BAMBOO SHOOTS)」の甲斐一彦さん、〈アールエフダブリュー(RFW)〉の鹿子木隆さんを迎え、フジロックの楽しみ方やコラボモデルの魅力についてとことん語ってもらいました。
- Photo_Fumihiko Ikemoto
- Text_Yuichiro Tsuji
- Edit_Hiroshi Yamamoto
フェスにちょうどいい靴がなかった。
みなさんは〈キーン〉のデザインパートナーを務めていらっしゃるんですよね?
関村:「キーンの三羽ガラス」って呼ばれてます(笑)。長男がぼくで、鹿子木くんが次男、甲斐くんが三男かな。もう10年くらいやってるよね?
鹿子木:そうですね、もうそれくらいになりますね。
デザインパートナーの役割は、主にどんなことなのでしょうか?
関村:いろんなモデルがある中で、それの色や素材を考えています。〈キーン〉から各々へお題が届くんです。「このモデルでお願いします」って。それでぼくらが色や素材をデザインしていく。ぼくはアメリカの本社にも行かせてもらって、本国のスタッフとも仲良くさせてもらっていて、自分がどういう人間かを理解してもらった上でこういう仕事ができるのはすごくうれしいし、すごく楽しく仕事させてもらってます。
それぞれデザインパートナーとしてこだわっていることなどはあるのでしょうか?
関村:ぼくはもともと靴業界にいたということもあって、いろんな靴を履いてきたという自負がある。だから「あの時代のこういう感じ」というのが目に焼きついているので、ネットで調べたりしなくても自然と色がでてきますね。個人的にはグレイトフル・デッドとか、フィッシュっていうバンドに影響を受けて、サイケデリックな色合いが好みです。
鹿子木:関村さんの色使いはその影響を感じますね。ピンクとか紫とか、そういった差し色の使い方がすごく上手で。甲斐さんは青系の色の組み合わせをよく使っているイメージです。アウトドアで青ってなかなかないので、すごく新鮮なんですよ。
鹿子木さんご自身はどんなことを意識していますか?
鹿子木:ぼくはふたりがどんな色を出してくるのか想像して、被らないようにその隙間を狙ってます(笑)。
そもそもみなさんは〈キーン〉というブランドに対してどんなイメージをお持ちですか?
関村:ぼくはフジロックがスタートしたときから遊びに行ってて、苗場に場所を移ったときから毎年自分のお店を出店しているんです。それで2000年代の頭くらいだったと思うんですけど、ぼくの後輩が「アメリカでこういう靴を見つけたんですけど、どうですか?」って見せてくれたのが〈キーン〉で、それが知ったきっかけかな。
本当ならローテクなスニーカーを履いて、ロックキッズみたいな格好でフェスを楽しみたいんだけど、一度土砂降りにやられて、そんなの履いてる場合じゃない! ってなったんです(笑)。それで他のブランドのサンダルとか履いてたんですけど、はじめにここにある「ニューポート」を紹介してくれて、サンダルなのに足の爪先がカバーされているのが本当によかった。それで一目惚れしたのを覚えてますね。出店の作業ってなかなかハードだから、履いてて安心感があるんです。
甲斐:ぼくもはじめて〈キーン〉が見たときは「すげぇ靴でてきたな」という印象でしたね。当時ちょうどいいハイキングブーツというのがなかったんですよ。自分の店をオープンして2年くらいして、新しいブランドをやりたいなっていうときに、知り合いの登山ライターの方が「ターギー」というモデルを履いてて、なんか仰々しくなくていいなと思って。当時は山に行くとなるとハードな靴しかなかったから、これはちょうどいいな、と。
関村:アウトドアの本気な靴っていうのはたくさんあったけど、フェスとか行くのにちょうどいい靴っていうのはなかったよね。ぼくは90年代の終わりくらいにアメリカのフェスへ行って、それこそグレイトフル・デッドとかが出るようなヒッピー系のフェスだったんですけど、そこでカルチャーショックを受けて生き方を変えられてしまった。いまでこそそういう人が増えた印象だけど、当時の日本にはそういう人がまだ少なかったし、その影響もあるのかもしれないですね。
甲斐:それこそ〈キーン〉はフェスにもちょうどいいなって思いましたよ。山登りするときの靴って、道具だから大事にしたいんです。フェスに持っていくと酒とかこぼしちゃったりするから、できれば他の靴を履きたいんです。だから〈キーン〉みたいな靴が外遊びにはぴったりだなって。
関村:それでいつのまにかぼくたちがデザインパートナーになっててね。3年くらい前にフジロックで出店したときに甲斐くんと鹿子木くんにも手伝ってもらったこともあったな。今年も〈トウキョウヘンプコネクション〉のブースに「バンブーシュート」も入って、一緒にお店やるんでよかったら来てください(笑)。
人生における贅沢な瞬間を味わえるロックフェス。
「フジロックフェスティバル」の魅力はどんなところにあると思いますか?
関村:やっぱりキレイなところですね。道中の風景もいいし、都会で暮らしているとなかなか味わえない開放感がある。海外から来る友達も「日本のフジロックはゴミが落ちてなくて最高だ」って言ってました。おととしあたりはゴミが増えちゃって、「フェス楽しむならマナーちゃんとしようぜ」っていう、「OSAHO(お作法)」というマナー啓蒙をフジロックが打ち出して、去年はまたキレイなフジロックが帰ってきましたね。20年以上出店していると、いろんなことが起こるんですけど、クラッシュっていうパンクのバンドがあるでしょう? そのジョー・ストラマーがうちのお店に来たんですよ。ぼくらが出店の準備をしているときにフラっと来て、ビール飲ませてくれって。それで2時間くらいずっとお酒飲みながら話をしてたんですけど、彼が「グラストンベリーっていうイギリスのフェスは最悪だぞ」って言うんです。「汚くて臭い」って(笑)。
なるほど(笑)。
関村:でもたしかにお客さんの雰囲気がすごくいいし、若い子が増えてお行儀がよくなった感じはします。むかしは暴れだすやつとかもいたりしたけど、最近は減りましたね(笑)。
甲斐:あと時期がいいですよね。ちょうど梅雨明けくらいで、気候が気持ちいい。
関村:それと、とにかくでかくていろんなフロアがあるのも楽しい。パレス・オブ・ワンダーっていう東京のクラブみたいなところがあったり、ぼくらは“渋谷”って呼んでるんですけどレッド・マーキーっていうワールドフードマーケットみたいな場所があったり。ご飯がとにかくうまいのもいいですね。
あとはやっぱり音楽。ぼくは静岡に住んでるんですけど、毎週のように各地でフェスのようなものが開かれてるんです。でも、フジロックのすごいところは海外の一流のアーティストの演奏を自然の中で直に見れるところ。土砂降りの中でレッチリとかなかなか見れないですよ(笑)。それって人生における贅沢な瞬間だから、そんな体験をした人がもっと増えれば日本はもっといい国に変わると思いますよ。
山の道具は最低限にしながらもっと遊びに専念する。
こんなところに気をつけていればもっとフジロックを楽しめる、といったアドバイスはありますか?
甲斐:やっぱり靴は大事です。1足だけじゃなくて、最低でも2足は持っておきたい。
2足もですか?
甲斐:靴ってなんの前触れもなく突然壊れるんです。アウトソールがパカって外れたりして。フジロックのキャンプサイトでは困った人達が相談できる「よろず相談所」というブースがあって、そこで靴が壊れた人が意外に多くきていて、びっくりしたのを覚えています。長い間ずっと、しまっておいた靴を久しぶりに履くと、ごく稀に壊れたりすることがあるので、2足くらいはあったほうが安心できますね。
関村:とくにこの「ターギー」みたいに足首までホールドされているのがあると安心だよね。路面のコンディションが悪いところだとよりその重要性を感じます。
鹿子木:長靴とか履いていると結構疲れたりするんですが、〈キーン〉はとにかく歩きやすいところも魅力ですよね。
甲斐:あとスポーツサンダルなんかも、他のブランドだとつま先や側面の部分がガードされていないんで、砂利とかが入り込んでくるんです。でも〈キーン〉はそんなことないですね。
関村:ぼくなんかは5足持っていきますね。「ヨギ」は朝起きてテントからでたときに履く用。あと夏は鼻緒のサンダル履きたくなるから「ワイメア」。これはソールに厚みがあるし、親指もブロックされててフェス向けです。あと、冬用なんだけど「ウィンターポート」が土砂降りで地面がドロドロのときなんかに活躍しますね。
でもやっぱり「ニューポート」は快適さでいえばナンバーワン。水に濡れようが泥にまみれようがタフだし、かかともホールドしてくれるし、指の爪も守ってくれる。“キング・オブ・フェスサンダル”ですよ。
雨対策なんかはどうですか?
甲斐:もちろん雨具は持っていきますが、そこまでゴリゴリに装備を固める必要もないかなと。濡れたところで特に気にしなくてもいいんじゃないかなと思います。
関村:ぼくも全然気にしない。
甲斐:山っぽい格好でフェスに行く人が増えているんですけど、あれはどうも違うかなって思うんです。お祭り騒ぎをしに行くんだから、もっとラフでいいんじゃないかなって。
関村:そうだよね。店に立ってる側からしても、それはなんか寂しさを感じますね。雨降るとみんなポンチョ着るじゃないですか。そうすると中に着ているTシャツが見えなくなる。ぼくなんかは自分の好きなミュージシャンのTシャツを着てる人を見かけると声かけたくなるし、そうやってコミュニケーションが取れるとウキウキしてくるし、お客さんのほうもテンション上がると思うんですよ。でも、ポンチョを着るとそういうのができなくなっちゃう。
甲斐:下着は速乾の素材よりも薄手のウールのモノの方が濡れても冷えにくいとか、登山の知識をちょっと借りて、山の道具は最低限にするとか。でも土砂降りになったら、何着てもムリだからしょうがないのかな。
関村:あと、やっぱり自然の中で遊んでるから、それを配慮した遊び方をしたいですね。たとえばゴミをちゃんとゴミ箱に捨てるとか、タバコもポイ捨てせずに喫煙する人はきちんとスモーキングエリアで吸うとか。
甲斐:化繊の服をあまり着ないとか。
関村:そうそう。たとえビショビショになろうが天然素材を着て遊んでる人を見たりすると、かっこいいなぁってなる。きちんとやることをやった上で遊んでいる人はやっぱり見てて気持ちいいです。
昼間にソーラーパネルで電力をチャージ。
今日はみなさんに、フジロックフェスティバルであると便利なグッズを持って来てもらいました。それぞれご紹介をお願いします。
関村:まずはヘッドライト。これは必需品ですね。フジロックは夜も遊べるフェスだから、暗い道を歩くのに必要。それでこれは何がいいかというと、USBで充電できるんです。一昨年くらいに「バンブーシュート」で買ったんですけど、すごく重宝しています。それに乗じてこのLEDランタンも購入したんですけど、これはバッテリー容量が多いからスマホを充電できたりもする。
鹿子木:ぼくも関村さんとちょっと被ってるんですが、やっぱりライトは必要ですね。ぼくが持ってるのはランタンにもなるし、水も汲める仕様になっているんです。しかもソーラーパネルが付いていて昼間充電できるという優れもの。あと、チャージ専門のソーラーパネルもあると便利です。バックパックやテントに引っ掛けられるようになっているので、昼間晴れていれば、遊びながらたくさん充電ができます。
甲斐さんはいかがですか?
甲斐:こういうタンブラーはあると便利ですよね。ビールをこれにいれてもらって、ずっと冷えたまま飲めるので。あとはフェス用の財布も意外と便利。余計なものは入れず、ぼくはカードと小銭だけ持ち歩いてます。それとサコッシュも。これは今年つくったものなんですけど、いろんなものを引っ掛けられるようにテープを縫いつけてます。
サコッシュはやっぱり必需品なんですね。
甲斐:それに加えて、限りなく防水に近い生地のバックパックもぼくは持ち歩いています。これがあれば、遊んでるときにTシャツを買ったりしても大丈夫。椅子とか靴もここに入れられますし。容量は20リットルくらいです。これくらいが大きすぎず小さすぎない。個人的にベストな大きさですね。
アスファルトとは違う、自然の中に存在するグレー。
2015年からオフィシャルサポーターを務める〈キーン〉が、今回満を辞して「フジロックフェスティバル」とのコラボシューズをリリースすることになりました。このアイテムもマストアイテムになりそうですね。
関村:日本ではフェスとフットウェアブランドがコラボするなんて初めてじゃないですかね。この試みは新しい。
今回、関村さんがカラーディレクションを手がけているんですよね。
関村:長いことフジロックで出店させてもらっているのと、〈キーン〉のデザインパートナーを務めているからお声がけいただいたと思うんですけど、とにかくうれしいコラボレートですよね。
どんなことを意識してデザインを考えたんですか?
関村:メインのグリーンステージからホワイトステージを抜けて、フィールド・オブ・ヘブンへ向かう道中に木道亭っていう木で囲まれた場所があるんです。その裏に川が流れているんですけど、さっきも話したフィッシュというバンドがフジロックに出演したときに、アメリカから本物のヒッピーたちが遊びに来てたんですよ。それでもう全裸になって川遊びをしていて(笑)。
フィッシュが出演したのは99年。会場が苗場に移った年ですね。
関村:そうですね、初心に帰るみたいな気持ちもちょっと込めてます。当時はまだ木道亭って言ってなかったのかな。まぁとにかく、その川でヒッピーたちが遊んでて。色を考えているときにそれを思い出したんです。今回はその川にある岩をイメージしました。フジロックとロック(岩)をかけて(笑)。アスファルトとは違う自然の中に存在するグレーというか。
なるほど。差し色に赤を使われているのもいいですね。
関村:うちのお店のドーム型テントが赤いんです。だからテープをその色にしました。グレーのワントーンよりもキャッチーかなと。あとはリフレクターで光を反射させたり、パーツは蓄光にしているので、夜になるとボヤッと光る仕様にしています。
甲斐:感無量だな。敵わないですね、このカラーリングは。蓄光のパーツとか、こういう細かなこだわりがいいですよね。関村さんがやったからこその深みがあります。とってつけたような感じじゃないというか。
ちゃんとフジロックのロゴも入ってますね。
鹿子木:本当だ。すごいですね。なんか、フジロックってエリアによって雰囲気変わるし、それに伴ってファッションも変えたくなるんですけど、このシューズは万能な気がします。
甲斐:ヘブンにいるときと、さっきでた渋谷にいるときではちょっとムード変わりますもんね。
鹿子木:ベースにきちんとアウトドアがあるんですが、都会っぽさも併せ持っているアイテムですよね。
関村:シューレースはバンジーコード仕様になっているので、脱ぎ履きがラクなのもポイントです。音楽を聴きながらがっつり踊りたいときは紐を締めて、寝起きのときなんかは緩めて履いたりとか、気分に合わせて簡単に調整できるのがうれしい。
もっとたくさんの人に〈キーン〉の魅力を知ってほしい。
最後に、今後〈キーン〉というブランドに期待することを教えてください。
関村:末長くフジロックとの関係が継続するといいですよね。数年だけやって終わり、とかじゃなくて。〈キーン〉のスタッフの人たちってちゃんと仕事をするんだけど、遊びも知っている人たちなんですよ。それに災害が起きたときなんかは、支援の行動も早いし、社会的なこともしっかりと考えている。そうしたフットワークを活かしながら自分たちのやりたいことをもっともっと突き詰めてほしいです。ぼくらもそれに刺激を受けているし、ずっとぼくらのケツを叩き続けてほしいというか(笑)。
鹿子木:ぼくはもっといろんな人に〈キーン〉を知ってほしいという気持ちがありますね。ここ数年、「ユニーク」はすごくメジャーになったけど、今回のコラボモデルにしても、他にもたくさんいい靴があるので。
甲斐:そうですよね、いろんな人が履けるシューズが出るともっといいですよね。アウトドア好きな人にとっては当たり前かもしれないけど、そうじゃない人の私生活にも入り込めるような。いま子供が小学校5年生で、遠足に〈キーン〉を履かせたんです。そしたら他の親御さんたちから「いいですね」っていう声をたくさん聞いて。フェスみたいなものを入り口に、その魅力がもっと一般の人たちにも知れ渡ればいいなぁって。
関村:やっぱりフェスっていい入り口だよね。外遊びを通して機能の本質を知れるから。遊び上手な人が増えてきている実感はありつつも、それをもっといろんな人に知ってほしいという気持ちはぼくもおなじです。そういう意味でこれからもっとフットウェア道を極めてほしいですよね、〈キーン〉には。
INFORMATION
KEEN Japan
電話:03-6416-4808
keenfootwear.com
Instagram:www.instagram.com/keen_japan/
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実施店舗
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電話:03-5466-7350
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住所:大阪市北区梅田 3-2-135 ALBi 内
電話:06-6136-7081
営業時間:11:00-21:00
KEEN Garage YOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-5-1MARKIS1F
電話:045-323-9280
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