God gives you KEEN HOOD collection.
あのひとはキーンの冬の万能シューズでどこへ行く?
防水透湿、保温性、脱ぎ履きのしやすさ、都会でもイケるカラーリングやデザイン、グリップ力に優れたソールなど、機能や魅力がいわば“渋滞”を起こしているのが、〈キーン〉のHOOD(フッド)コレクションです。この万能シューズは、あらゆるひとの足元を飾るにふさわしいということで、仕事やライフスタイルが注目を集める3人(うち一人は家族で)の生活にどうフィットするのか、その仕事観とともにお届けします。
- Photo_Masayuki Nakaya
- Text_Shinri Kobayashi
- Edit_Hiroshi Yamamoto
Case01_編集するスタイリストの場合
水野遼平
スタイリスト、「OVERLAP CLOTHING」オーナー、オリジナルブランド〈map.〉ディレクター
スタイリストとして広告、ウェブ、カタログ、タレント衣装などさまざまな媒体で活躍。渋谷区富ヶ谷にある、古着を中心としたアパレルショップ「OVERLAP CLOTHING」オーナーとして買い付け等を担当。なぎくんのパパとして子煩悩な顔も。
Instagram:@mizunoryohei
稲葉真理恵
フリーランスデザイナー
元大手セレクトショップでプレスを担当。現在は、アパレルショップ「OVERLAP CLOTHING」のディレクターとして活躍するほか、複数のブランドでデザインを手がける。インスタグラムにポストする私服にファン多し。
Instagram:@inabamarie
Instagram:@overlap.clothing
なぎ
1歳8ヶ月の男の子。アンパンマンと滑り台が好き。二人のインスタグラムにも頻繁に登場している。
自分のやり方で“試合”をする。
水野さんのスタイリスト歴はどれくらいになるんですか?
18年目になります。フィールドはたとえばタレント、広告まわり、カタログのディレクション、ドラマや映画など結果的に雑誌以外ほぼ全てですね。
雑誌以外というのが珍しいですね。
少しの間、スタイリストの師匠についていたんですが、自分でやるようになった18年前の当時すでに雑誌が衰退しはじめていたので、雑誌だけにこだわると食っていけなくなるかもなあと思って、いただける仕事…例えば小さな広告とかをやるようになったんです。
たとえば師匠からはどんなことを学びましたか?
ファッションに関しては、教わるというよりは背中を見て学ぶ、という感じでした。でも、当時の僕は未熟だったのでその重要性をちゃんと理解していなかったんですけど、いま思い返すとビジュアルへのこだわりがすごくて、撮影への準備や姿勢からいろいろと学びました。
芸人まわりで言えば、コンビのカミナリ、ヒコロヒーさん、鈴木もぐらさんなどどことなくトガった芸風の方のスタイリングを担当されることが多い印象です。
僕自身もわからないんですが、なぜかそういう芸人さんからお声がけをいただくことが多いんです(笑)。でも、仕事を抜きにしてもともと好きな芸人さんばかりなので、お声がけしてくれたのはすごくうれしいし、楽しんでやらせてもらってます。こんな巡り合わせがあるんだなと(笑)。
バイイングオーナーを務める「OVERLAP CLOTHING」はどんなものを置いてますか?
古着メインのセレクトで、あとは〈マップ.(map.)〉という僕らのブランドも販売しています。古着の買い付けは、基本的に国内です。というのも、一度国内市場に出回った古着の方が回転しやすいという感覚があるんです。僕が古着屋をやるといっても、古着屋の経験もなければ買い付けの経験もない。古着は好きだけど、めちゃくちゃ古着マニアかといえばそうでもない。でも、そういう人間がヴィンテージの価値観とは違う目線でセレクトした方がおもしろくていいんじゃないかなとも思っているんです。古着の知識も買い付けのルートもないから、みんなと同じ試合で勝負しようとは思ってなくて、自分は自分のやり方で試合をするという感じです。
いわば“編集”をしているんですね。
そうですね。例えばいまサッカーのW杯期間中(取材時点)ですけど、昔JリーグがCategory-1という、ライセンスブランドのようなものを仕掛けていたんですけど、けっこうデザインもイケているんですよ。それを集めて展開したりとか。
おもしろいですね。水野さんがいまこれを着たらおもしろい、意味があると思うものが揃っていると。
そうです。あとは昔、たとえば中学生の頃に着ていたものとか。年代でいえば90年代の古着が多くはなるのかな。
このシューズは、ブーツというよりスニーカー感覚に近い。
ご家族のことやシューズのことをお伺いできればと。奥様は「OVERLAP CLOTHING」で何を担当されていますか?
全体のディレクションですね。そのほかとして、僕らのブランド〈マップ.〉のデザインも彼女です。インフルエンサーでもあるので、彼女自身の生活やいいと思うものを彼女のインスタグラムで発信しています。
お子さんが生まれて生活は変わりましたか?
そうですね。以前はキャンプに行っていましたが、いまはなかなか…。もう少し大きくなったらまた変わるんでしょうけど。
このシューズは、防寒としてもすごく優秀なんです。
確かに履いていても温かいですね。キャンプに行けるようになったら、使えるし、単純に街中でも足元は暖かい方がいいから、冬のシューズとしてもってこいだなと。あとは、キャンプ泊すると、朝は露草でシューズが濡れたりしますけど、これであれば防水だから気にしなくていいですよね。単純に雨にも強いでしょうし。
なるほど。デザインとしてはどうですか?
僕の場合、パンツがわりと太めなので、これくらいボリュームがあるとちょうど合います。このストラップの柄もすごくデザインとして効いているなと。それにこのストラップのおかげで、歩いていてもかかとが離れないから、すごく歩きやすい。ブーツというより、スニーカー感覚に近いですね。あとは、子供目線に合わせてしゃがむとアッパー部分にシワが刻まれるシューズも多いですが、この素材(ナイロンマテリアル)だとあまりシワも入らなそうだなと。
Case02_若き経営者の場合
佐藤岳歩
「The Youth」CEO
1997年岩手県生まれ、5歳の時に宮城県に引っ越す。幼少期からアウトドアスポーツを嗜む。大学時代のインターンとして、蔵前「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」、日本橋「CITAN」を手がける「Backpackers’ Japan」で働き、その後同社のグループ会社として、「The Youth」を設立。若者と世界を繋げる場づくりを目指し、仙台にローカルラウンジ「Echoes」、六本木に「Common」をオープン。
場に対する意識を変えられた、東日本大震災。
「The Youth」が手がけた、この「Common」の空間はすごくいいですね。
設計は、STUDIO DIGにお願いしたんですが、僕ら「The Youth」は空間のあり方やコンセプトをどうするかについて話し合いを繰り返しました。空間コンセプトは都市の公園や広場です。また、この店のテーマは、食、音楽、アート。どれも六本木にはすでにあるかもしれないけど、音楽はクラブ、アートは美術館のように場の使い方が限定されている。一方この「Common」は、レストランでもあり、バーでもあり、クラブでもあり、ギャラリーでもあるような都市の余白のような空間として存在していたいんです。
“都市の余白”というのはいい言葉です。
店にも余白をたっぷり取っていて、平米数では200㎡弱ありますが、席数は60席くらい。これってゆとりのある贅沢な空間の使い方なんです。たとえば、僕が座ってパソコン仕事をしている写真(下)がありますが、ベンチのように腰かけられる場所は、テーブル席が満席のときには腰かけてコーヒーを飲んでいるひとがいたり。これは自分たちの予想にはなかった使われ方で、自由度のある空間に結果としてなっているなとうれしくなりました。
レンガ壁も印象的です。
この建物は建て壊しが決まっているのんですが、解体を惜しむのではなく、その有限性をどう建築としてポジティブに変換できるかを考えました。この赤レンガは解体後も再利用できるし、左官で仕上げた一部の天井は、自然に還る素材として砂を使うなど、「Common」がなくなったあとでも使い続けることができます。
なるほど。備え付けのDJブースで、木金土の夜と日曜のデイタイムはDJプレイが無料で聴けるとか。
「The Youth」は飲食を通じた場をつくるとともに、状況を作るチームだと考えています。その状況を作るのが、飲食であり、音楽でもある。いろいろなものを介して、人と人をつなぐのが重要だなと。
「The Youth」のホームページ内の「CHAPTER」では、飲食業界を中心に意思を持ち活動する20代の若者たちに焦点を当てるインタビューが掲載されています。こういったメディアを作るのはどうしてですか?
実態としての場所があるかどうかは関係なく、“状況を作る”という意識ですね。建物というハードを作ったら終わりではありません。建物が素敵でも働いているスタッフが気持ちよくなかったらもう一度行こうとは思わないし、その逆も然り。ハードもソフトもどちらもよくて、はじめてひとが集まるような場所になると思うんです。
すごく場や空間に対して、真摯な思いを感じますね。なにかきっかけがあるんですか?
僕は宮城県で育ったのですが、中学校1年の時に東日本大震災が起きたんです。場所によっては街そのものがなくなってしまったところも。そんなところに食を提供する場所ができ、そこで人びとの間に会話が生まれ、人びとが集まって交流するのを目の当たりにしました。でもそれって、被災地だけに限った特別な風景ではないし、どこにでもいつでもあるべき景色なのでは、と。そんな場所を自分でも作りたいと想い始めたのがきっかけです。
街もアウトドアもフィールドを横断できるシューズ。
なにかアウトドアはやってますか?
キャンプと山登り、スキーやスノーボード、川、海、湖で釣り、あとはサーフィンも。なかでも山登りは一番心が落ち着きます。
盛りだくさんですね。アウトドアのときのシューズ選びの基準はありますか?
ジャンルによっては専用のシューズもありますが、基本的には街とアウトドアどちらも同じシューズを履いていることが多いですね。たとえばキャンプも街や山というフィールドの違いをあまり意識しないでいいシューズを履きます。
このシューズはそういう意味でも使えるシューズです。
普段から服はモノトーンが多いんですが、このシューズもモノトーンで違和感なく履けるなと。足首まで暖かいのは単純にうれしいことだし、スリッポンで脱ぎ履きしやすいのもいいですね。シューレースがあるタイプのシューズは紐も結びっぱなしで脱ぎ履きしますが、これはベルトで締められるのでフィット感もあって歩きやすい。
ちょっとしたハイクでも十二分に使えます。
グリップもいい感じなので、確かにちょっとしたハイクは行けそうだなと。僕は、登り降りのスピードがかなり早いので、これくらいのスニーカー感覚で履けるシューズがちょうどいい。しかも透湿性もあるとのことで、足がベタベタしなそうで、それもまたいいなと。
〈キーン〉も環境保護活動を長年行なっていて、「Common」のエシカルな思想ともマッチしますね。
本当にそうですね。アウトドアブランドはエシカルな活動に励んでいるイメージがありますが、これからの社会や環境を考えているブランドというのは信頼できます。また僕らよりも大きな規模の〈キーン〉がそういう活動に取り組んでいるのはすごく刺激になります。
Case03_異色の経歴のバーテンダーの場合
伊藤萌子
バーテンダー
愛知県出身。看護学校を卒業後、愛知県内の病院で看護師として4年間勤務ののち、退職して2022年4月に上京。上京時は就職先が決まっていなかったが、知り合いを通じて「& Supply」チームと知り合い、加入。現在は、神泉「Hone」と池尻大橋「LOBBY」の両店でバーテンダーとして活躍中。趣味は音楽と洋服。
Instagram:@i__moeko
看護師として成長するために看護師をやめた。
看護師を経てのバーテンダーというのは、珍しいご経歴ですよね。
患者さんには大きく3つの機能分類があり、リハビリなどを行って社会復帰へ向かう「回復期」、検査や手術などの生命に関わる集中的な治療が必要な時期を「急性期」、長期的な治療と向き合う「慢性期」があります。私が働いていたのは急性期病棟で、残念ながら患者さんがお亡くなりになることも珍しくありませんでした。
なかなか精神的にハードそうですね。
先輩から、患者さんそれぞれの人生観や人生そのものを理解して、生活者として患者さんを捉えることも必要だという教えがあったんですが、看護学校を卒業して病院に勤務していた当時の私の社会経験だけでは、十人十色のいろいろな考えを持つ患者さんを深く理解することは難しいと考えるようになりました。そこで自分のわがままだとは承知で、もっと社会への理解を広げて深めたいと思い、一旦看護師をやめることにしたんです。
それからすぐに上京されたそうですね。
とりあえず就職先も決まっていなかったけど、上京しました。美味しいご飯もお酒も好きだし、いろいろな人と会うなら飲食店だと思い、地元の先輩に相談したら、「& Supply」は飲食だけじゃなくて、いろいろな事業を手がけているから多彩な経験を積めるはず、ということで紹介してもらって面接を受けてすぐに働き始めました。
実際に働き始めて、看護師とはちがう経験ができていますか?
いろいろなひとを知ることによってが、そのひとを理解するまではいかなくても、ああ、こういうひともいるんだと社会を見る視野が広がった気がします。
実際にいまはどんなサービスをしているんですか?
神泉「Hone」はフードメインなんですが、サーブしたりそれに合うお酒を作ったり。池尻大橋「LOBBY」では、バーテンダーとしてお酒を作ることをメインにしています。どちらも食やお酒の知識や経験が必要で、日々勉強中です。ちょうど先日ほかのスタッフとドリンクに関して話していて、お客さんの様は好きなものとそのときで飲みたいものとはちがうと。シチュエーションやお客様との会話のなかで、そのあたりをうまく察知しないとダメだよねと。お酒の知識にプラスして、そういうコミュニケーションも必要ですね。
ファッション視点でいいカラーリングのシューズ。
アウトドアは何かされますか?
愛知県時代に、友人に誘われてキャンプをしていましたね。誘ってもらって山を整備をする手伝いをしたことがあります。いまはなかなか時間がなくて行けていませんが、また行きたいなと。あとは音楽も好きで、 2019年に初回が開催されたフェス「FFKT」でのキャンプも楽しい思い出です。
ちょっとイメージとちがって、意外でした(笑)。
よく言われるんです(笑)。服も全身黒が多くて、声も低いので(笑)。でも、けっこうアウトドアは好きなんですよ。
全身黒の服にも今日のシューズは合いますね。
アクセントとしてすごく効いてますよね。オリーブと言っても、あまり濃すぎず、明るくてポップなオリーブでいい色だなと。あとはすごく軽いから、長時間履いていても疲れなさそうです。あとは防水透湿素材だから、私のように水回りで長時間働いていても、水が跳ねても大丈夫だし、蒸れにくいし、私のワークスタイルにもすごく合っている気がします。
そもそも〈キーン〉はどういうイメージですか?
まわりに〈キーン〉をはいて登山をしている友達が多くて、そのイメージが強いですね。
このモデルは、キャンプ、デイリーにまで使えます。
冬キャンプはやったことがないんです。でも、これはちゃんと足首までカバーしてくれて暖かいなと。看護師の経験からしても、足元の冷えは良くないと断言できます(笑)。
INFORMATION
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